当院リハビリテーション課は地域の中核病院としての特性を活かし、急性期から在宅復帰まで患者さんに寄り添い、地域密着のリハビリテーションを心がけて日々取り組んでいます。幅広い年齢層の患者さん、多岐にわたる疾患を対象とした診療を多職種と密接に連携を取りながら多様な障害に対して理学療法・作業療法を提供しています。
業務内容
令和2年度より理学療法士・作業療法士で構成されたチームで発症後・術後早期からの包括的な介入を図るため病棟リハビリラウンドを開始しました。一人の患者に対してチーム内で介入方法や訓練内容、ゴール設定などを日々協議し、在宅復帰に向けた介入を検討しています。
令和5年度 実績
- 整形外科:依頼件数634件/年(43%)
人工関節術後、脊椎疾患術後を中心に急性期運動器疾患に対して自宅退院を目指して術後早期より自宅退院を見据えた介入を多職種で実施しています。 - 脳神経外科:依頼件数300件/年(20%)
脳血管疾患患者・中枢神経疾患を対象に理学療法士・作業療法士で早期より介入し、病棟看護師と連携し早期ADL獲得を目指しています。 - 循環器科:依頼件数246件/年(16%)
- 消化器内科:依頼件数97件/年(6%)
- 腎臓内科:依頼件数129件/年(9%)
- 外科:依頼件数30件/年(2%)
- その他:依頼件数52件/年(4%)
肺炎・開腹術後などの呼吸器疾患や心不全などの心疾患を対象に複数人でのチームで介入しリスク管理へ配慮した介入を多職種で検討しています。また、入院に伴う廃用症候群に対しても活動量の維持・向上を図り、自宅退院へ向けた介入を行っています
教育体制
新人1人に対して2人の指導者がつくチーム体制をとり、1年間の新人教育を行っています。
疾患や病態を理解し患者を選別せずに医療ができるように、各部門のジェネラリストの育成を目指しています。
疾患や病態を理解し患者を選別せずに医療ができるように、各部門のジェネラリストの育成を目指しています。
各疾患の基礎知識や治療法、急性期リハビリテーションを実施するうえでのリスク管理について、OJT(On-The-Job-Traning)を通して指導しています。また定期勉強会を開催し、課内スタッフに対して発表する機会を設けています。疑問点や課題に対してディスカッションを通してスタッフ間の共通認識を深め、訓練へ反映させています。
職員構成(認定資格取得者)
- 理学療法士 8名
- 作業療法士 3名
経験年数
■1~5年 4人
■6~10年 3人
■11~20年 3人
■20年以上 1人
■6~10年 3人
■11~20年 3人
■20年以上 1人
認定資格取得 | 人数 |
認定理学療法士 | 2名 (運動器1名・呼吸1名) |
3学会合同呼吸療法認定士 | 6名 |
心臓リハビリテーション指導士 | 2名 |
日本トレーニング指導者協会‐認定トレーニング指導者(JATI-ATI) | 1名 |
骨粗鬆症マネージャー | 1名 |
呼吸ケア・リハビリテーションスタッフ | 1名 |
離床プレアドバイザー | 1名 |
臨床実習指導者講習会修了 | 5名 |
地域ケア会議推進リーダー | 1名 |
介護予防推進リーダー | 1名 |
チーム医療
カンファレンス
整形外科:2回/月
脳神経外科:2回/月
心不全/内部障害カンファレンス:1回/週
地域包括ケア病棟カンファレンス:1回/週
脳神経外科:2回/月
心不全/内部障害カンファレンス:1回/週
地域包括ケア病棟カンファレンス:1回/週
- 地域包括ケア病棟カンファレンスを充実させ、退院調整だけでなく入院中から一定の活動量・ADLの維持拡大を図るため、病棟看護師でも行えるリハビリの提案を行い、リハビリ以外の時間も機能向上へ向けた働きかけを行っています。
- 褥瘡チーム
週に1回、褥瘡患者を対象とした回診に医師、皮膚排泄ケア認定看護師、薬剤師と一緒に参加します。褥瘡の治療過程に応じたポジショニングについてチームで検討し、実践に繋げています - NST
週に1回カンファレンスに参加し栄養状態に合わせた活動量の検討や嚥下障害へ配慮した座位姿勢の検討を医師、看護師、薬剤師、管理栄養士と検討しています。また、嚥下障害の残存している患者に関しては呼吸リハビリの側面からも助言・提案を行っています。
2024年7月 更新